SATOKO FUJII TRIO : 藤井郷子、マーク・ドレッサー、ジム・ブラック

Trace A River (2008)

 –四つ星―ジャズワイズ(イギリス)

「ひとりでもトリオでも大胆でいて充分わかりやすい非凡な音をだす。『トレース・ア・リヴァー』は本物のアーティストの手による素晴らしいピアノトリオだ という事を十二分に証明する作品だ。」–トロイ・コリンズ、オール・アバウト・ジャズ(アメリカ)

「大当たり」–トム・ハル、ヴィレッジ・ヴォイス・ジャズ・コンシューマー・ガイド(アメリカ)

「美しさと興奮が交互に、またある時は同時に。『トレース・ア・リヴァー』は藤井のカタログに重要な軌跡となる…このアルバムはいかにこのトリオが力強く 育って行くかを明白に示す。続く作品を聴くのが待ち遠しい。」–マイケル・コイル、ケーデンス(アメリカ)

「ダイナミックなユニット…さらに、興奮するインプロと、熱いグルーブ、そして踊るようなメロディーで満たされた力強い作品。」–ジェーソン・ビヴィン ズ、シグナル・トゥ・ノイズ(アメリカ)

「四つ星…藤井郷子トリオのデビューレコーディングから10年…そして6枚のCDに続く作品…このグループの創造的な流れが満潮となる『トレース・ア・リ ヴァー』…『トレース・ア・リヴァー』は、卓越した表現を通して、藤井の作曲家として、ピアニストとして個性的な音を要約しているという意味で、トリオの 『狐火』以降の最も大事な作品で、藤井のいままでの作品の中でベストレコードの1枚でもある。」—フランシス・コウチュア、オール・ミュージック(カ ナダ)

「彼女は、フリージャズの自発性とクラシック的なアイデアのプロセスをブレンドし、ここ何年か高く評価されている。彼女は他に時折見られるインプロヴァイ ザーたちとは違って、盛上がった時に最も創作的になる。『トレース・ア・リヴァー』はミサイルのように始まる。タイトル曲の最初の2分は美しく牧歌的で、 そのあと何の予兆もなく、爆発する。藤井とベースのマーク・ドレッサー、ドラムのジム・ブラックは目一杯の勢いで突き進む。彼らの演奏はその落ち着く所に ゆったりと向って行くまで、満ち引きを繰り返す。藤井は堂々とした伴奏のないソロを雷鳴のように終え、ブラックのほとんど見境のないような、そして派手な 演奏に、それからドレッサーのひきつるようなベースライン…。このアルバムは2002年のこのトリオのアルバム『ベル・ザ・キャット』と同様に素晴らし い」–スティーヴ・グリーンリー、ジャズタイムス(アメリカ)

「3人はアグレッシブに大胆に、藤井のとがったメロディーと変調の多いリズムを自由に演奏し、そして驚くほど余裕がある。….聴き終わった後、次は何が発 見できるのか、すぐにまた聴きたくなる。」–スチュワート・ブルーマー、IAJRC ジャーナル(アメリカ)

「新しい変化が見えるにしても、充分に藤井らしさがでているニューヨークトリオの10年記念、藤井の50歳を記念するアルバム。…確実にプログレッシブな ジャズピアノのセンス。」–クリス・スペクター、ミッドウエスト・レコード

「藤井がドレッサーとブラックと一緒にエキサイティングでエネルギッシュで多層で示唆に富むまた新たな傑作、『トレース・ア・リヴァー』を創作した。」- -バド・コプマン、オール・アバウト・ジャズ

「四つ星。『トレース・ア・リヴァー』は藤井のまばらなコードとジム・ブラックのソフトなアクセントとともに、マーク・ドレッサーの物憂い悲しげな高音の 弓弾きで始まるが、そのあとゆったりとした浮遊は、山や丘の坂を転げ落ち激しく叩き付けるコードと打楽器的なパワーとドレッサーの早い勢いのあるピチカー トのソロの激流となり、滝の流れがゆっくりとなる事なく、左右に大きく動き、非常に面白い編曲と不意のテーマのユニゾンで藤井は再度めいっぱいの力強さで 緊張感を築き上げる。そして、ブラックは滝の流れのようなソロをとり、その後は静けさと甘美さが戻って来る。水は平坦な地形に至り、ドレッサーの驚嘆のア ルコソロは、テンポのないリズムと藤井の抑制されたコードのアクセントのスローの美しい反復する悲しげなテーマに発展する。表現深く、印象深い。」–フ リージャズブログ(ベルギー)

「もし注意深く聴けば、あなた自身が、宇宙の中心と壮大に音が渦巻く宇宙のワームホールの暗黒の入り口にとてつもない速さのワープをするのに気づくだろ う。このアルバムは、ジャズインプロCDの今月号のベストとして最も高く推薦する。」–ディック・メトカフ、インプロビジャゼーション・ネーション

「藤井は先鋭的なだけではなく、ハーモニーの深遠なセンスや、バンドでの協調性も示す。彼女の曲は変化に富んでいて、作曲家としての能力は際立っている。 今までも、藤井とブラックとドレッサーは彼らの音楽の展開の中で直感を大切にしていたが、今回もそれは変わりない。それは、最重要な要素で、彼らはテーマ を練り上げるのに、論理的な明解さだけではなく、感情のほとばしりで、音楽を前面におしだす。この作品は、素晴らしい素材と優れた演奏で、このトリオはま た成功をおさめた。」—ジェリー・デソウザ、オール・アバウト・ジャズ

「ドレッサーとブラックとのトリオは彼女の最もジャズ的な、跳躍するラインと叙情的なパッセージの楽曲と演奏を聴かせる。」—カート・ゴシャック、 オール・アバウト・ジャズ

「藤井郷子がどんな風にこんな事をやりとげられるのかはわからないが、また絶対的な作品を創った。彼女の際立ったエネルギーと創作的な音楽には目を見張 る。『トレース・ア・リヴァー』は実際、2008年度のベストレコーディングで、セシル・テイラー以降のジャズピアノの未来を真剣に考えている全てのジャ ズファンのコレクションにふさわしい。」—ディヴ・ウエイン、ジャズレビュー.com

「4点中の4点。日本人ピアニスト藤井郷子は今日の現代フリージャズシーンにおいて、最も卓越したミュージシャンとなった。これは彼女のベストパーフォー マンスだ。」–D.オスカー・グルーメス、オーズ・プレース・ジャズ・マガジン

Illusion Suite (2004)

–2004年度トップ10CD–デレク・テイラー、ワンファイナルノート、ジャズレビュー(アメリカ)

–2004年度トップ10CD―ダン・マクリナガン、オールアバウトジャズ ニューヨーク

–「新しく特記すべきCD」–サム・プレスティアーニ、ジャズイズ(アメリカ)

–推薦する新しいリリース–ブルース・ギャランター、オールアバウトジャズ ニューヨーク(アメリカ)

–推薦する新しいリリース–デイヴィッド・アドラー、オールアバウトジャズ ニューヨーク(アメリカ)

「マーク・ドレッサーとジム・ブラックを迎え、様々な素材がエネルギーに昇華される長編の1曲と短編の3曲。」–トム・ハル、ビレッジボイス ジャズ消 費者ガイド(アメリカ)

「芸風の完全な確立と共に、マーク∙ドレッサー、ジム∙ブラックそれぞれの自己主張をここまで自然に引き出した彼女のタクトにまたもや恐れ入った。長尺の 表題曲はモティーフ以外はほとんどがジャム。羨むべき信頼関係だ。」–松尾史朗(ミュージックマガジン)

「このトリオは世界でもっともおもしろいピアノトリオのひとつだと私は強調したい。」
–横井一江、improvised music from Japan

「ここしばらくの間聴いた中でも、もっとも創造性豊かでエキサイティングなトリオ・アルバムのひとつだ。」–マーク・メドウイン、バガテレン(アメリ カ)

「まさに以心伝心のインタープレイと鮮やかな自己表現。….創造の歓びとスリルがあふれ、情緒とユーモアもうれしい魅力となっている。」–青木啓 (朝日新聞)

「いつ聴いても最高の楽しみを与えてくれるグループのひとつが、トリオによる芸術というものを改めて問い直した作品。」–ジェイ・コリンズ、ワンファイ ナルノート(アメリカ)

「・・・藤井の手法は、セシル・テイラーやドン・プーレンの正面切った攻撃性と、キース・ジャレットの優雅なメロディー感覚を取り合わせたものだが、この トリオも、繊細さを失うことなく、ヘヴィ・メタル・バンドのように過激な演奏を聴かせることがある。(マーク・)ドレッサーはベースを歌わせたり叫び声を 上げさせたり、ため息をつかせたりしている。そして、雷鳴のような音を出す(ジム・)ブラックは、エルヴィン・ジョーンズとザ・フーのキース・ムーンの間 を行く存在である・・・尖がったジャズのファンなら、彼女の音楽を聴いてみるべきである。」–マーク・ケレスマン、プライムタイム(アメリカ)

「丁々発止のインプロヴィゼイションの名手3人ならではの、音楽性と創造性を兼ね備えた、絶対オススメの作品。」–デレク・テイラー、ケーデンス(アメ リカ)

「34分以上に及ぶ冒頭曲を聴くと、他のふたりにスポットを譲ってさえ、藤井はアルバム全体を自分の術中から放さない。すごいトリオだ。」–CDジャー ナル

「瞬間を楽しむその技は、安易な流れ作りを拒否している。….ピアノトリオの可能性の拡大、そういう場所ではなく、こういうピアノトリオしかなかっ た、そんなポジションに彼女はいる。…藤井のリーダーシップでマーク、ジムという強者二人を、統一感のある彼女の世界へと連れ込んでいるのも巧みだ。 刺激的でワイルドな演奏を強調することもできるし、繊細な局面も指摘できる。だが、それを可能にしたのは3人の音楽の理解度の高さだろう。無論、藤井の リーダーの下に。」今井正弘(無線と実験)

「イリュージョン・スイート」はこのグループによる6枚目のアルバムだが、ここにもまた、挑戦的で聴き応えのある、インプロヴィゼイションによる最先端の 音楽が収められている・・・。質の高い音楽だ。」–S.D.フィーニー、フェイスマガジン(アメリカ)

「トリオが心をひとつにして演奏した第一級のレコーディング作品。」–ランディ・マクエリゴット、ジャズレビュー(アメリカ)

「『イリュージョン・スイート』は、3人の名手による想像力と経験をうかがい知ることのできる、喜びに溢れた、稀有な、生き生きとした、深い感情に満ちた 旅物語である。このCDを推薦するのに十分な言葉が思い浮かばない。21世紀の耳を要求する音楽。」–デイブ・ウエイン、ジャズウイークリー(アメリ カ)

「『Illusion Suite』・・・空間を活かした無調に近い音形、頑強なリズム、そして、その間の全ての要素の中から、気だるい雰囲気の印象派風な変奏曲が湧き上が る。」–ケン・ワックスマン、オールアバウトジャズ(アメリカ)

「ピアニストの藤井郷子は、その力強い演奏でバンドをリードし、観客を魅了する。伝統的なビ・バップのファンにとってもアヴァンギャルドのファンにとって も受け入れやすい彼女の音楽は、イマジネーションを掻き立てる・・・。強力なエネルギーを持ったピアニストと陽気なアクースティック・ベーシスト、そして 多彩なドラマーが力を合わせ、ジャズの伝統と最先端の発想を取り合わせた「イリュージョン・スイート」を演奏している。」–ジム・サンテラ、オールアバ ウトジャズ(アメリカ)

「・・・創造力豊かな音楽作りのスタイルが生み出す、広大な遊び場。明確で鬼気迫る、幻想的な演奏。」–ジョン・ドーキン、ジャズレビュー(アメリカ)

Bell the Cat! (2002)

–ベストオブ2002―ケン・ワックスマン、ジャズウイークリー(アメリカ)

–ベストピアノトリオCD―ダーク・リチャードソン、サンフランシスコゲート(アメリカ)

–2002年度ベスト5CD―悠雅彦、CDジャーナル

–スイングジャーナル2001年日本ジャズ賞5位

「藤井郷子は、ここ数十年の間に日本から出たピアノ・インプロヴァイザーの先端を行くひとりだ・・・。『ベル・ザ・キャット!』は、このトリオが今までに 発表した中でもっとも興味をそそるアルバムだ。」–アンディ・ハミルトン、ジャズレビュー(イギリス)

「『ベル・ザ・キャット!』は、説得力のある、躍動感に溢れた個性的な音楽表現だ。」–スティーブ・グリーンリー、ボストン グローブ(アメリカ)

「演奏に魅力があり、興奮が持続する。最大限に力を発揮した、現代のジャズ・ピアノ・トリオによる作品である。」–スチュワート・クレムスキー、ジャズ レコードコレクター国際協会ジャーナル(アメリカ)

「藤井郷子の最大の特徴は、その豊富なレコーディングにあるかもしれない。しかしそれは、彼女のレコードで存分に発揮されている、作曲能力とミュージシャ ンやリーダーとしての完成された資質がなければ、無意味なものになっていただろう・・・。この作品では、藤井が過去の作品を乗り越え、興味をそそる瞬間が 連続する世界を探るような譜面をバンドに示すことで、彼女の音楽のパラメーターが拡張されている。」–ジェリー・デソウザ、コーダ(カナダ)

「驚くほど成熟した手法が詰め込まれた音楽が、見事に演奏される様子を、余すところなく捉えた力作だ。7曲のすべてが、ありきたりな予想を打ち破ると同時 に、どんなに厳しい芸術的感覚をも満足させる、3者の生々しい対話になっている。」–ディビッド・プリンス、CDナウ(アメリカ)

「トリオというものが持つ威力を最高度に発揮した、並外れた作品だ。」–ケン・ワックスマン、ジャズウイークリー(米国)

「ここに現代の即興音楽の最良の記録があるといいたい。」—青木和富、ジャズライフ

「藤井の守備範囲の広さには、ただもう、驚くばかりである。テイラーのように痛烈なメロディーを叩き出すのも、つややかなジャズ・ピアノの周辺をかじるの も、彼女にとってはどちらも造作ないことのように見える・・・。聴く価値があるのは間違いない。」–ロバート・スペンサー、ケーデンス(アメリカ)

「Satoko Fujii Trioの最高傑作! 作曲家・ピアニストの藤井郷子による、素晴らしくシュールで爽快感のあるオリジナル曲を集めた作品。抜群の出来である・・・。」- -リー・プロッサー、JazzReview.com(アメリカ)

「日本人ジャズ・ピアニストの藤井郷子は、きめの粗い不協和なハーモニー感覚と超然としたメロディー感覚を、独自の形で融合させた若手ミュージシャンのひ とりである・・・遊び心があり、挑戦的で、男性的でもあり、これほどまでに抽象性の高い音楽でありながら驚くほど叙情的なこのスタジオ作品は、モダン・ ジャズの世界に勇気溢れた才能ある新人が登場したことを告げるものである。」–ジョセフ・ブレイク、タイムスコラムニスト(アメリカ)

「グループは、ここまで洗練の境地に達している・・・クラシック音楽の要素を取り込んだ賢明で機知に富んだアヴァンギャルド・ジャズ。4点満点の4点。」 –トーマス・シュルツ、アウトサイトヘラルド(オーストラリア)

「アヴァンギャルドで冒険心旺盛、大胆でショッキング、“全力投球”の作品。そればかりではない・・・ジャズとクラシック、日本民謡、さらには、猛烈に駆 り立てるようなロックが融合している・・・藤井の書く曲は挑戦的でありながら、メロディーや繊細さも忘れてはいない。それでいて、プレイヤーたちは臆する ことなく、不協和音や爆発的な騒音、あるいは、煽るように壁を揺さぶるビートを打ち出している。そして、千種類ものサウンドの素材が絡み合ってい く・・・。そのサウンドは尋常ではない。」–ダン・マックレナガン、オールアバウト ジャズ(アメリカ)

「”お決まり” を超えたフレキシビリティの高さもこのトリオならでは。ドレッサー~ブラックが生み出す乾いたビートに絡む藤井郷子の抑制の効いた叙情性、そのバランスの 絶妙さが印象に残るアルバムだ-」–渡辺昌美(CDジャーナル)

「藤井郷子は、このトリオという編成の枠内で、いくつかの高度なコレクティヴ・インプロヴィゼイションの訓練を指揮している。つまりそれは、すでに確立さ れたフリー・ジャズの方法論と、禅的な視点とは言わないまでも、ジョン・ケージを思わせる、ゆっくりと沈黙に近づこうとする性向とを兼ね備えたものであ る・・・。その結果として出来上がったものは、抑制された表現がもたらす落ち着いた雰囲気が全体を包む音楽で、藤井がしばしば比較されるセシル・テイラー の音楽に特徴的な、凄まじい恍惚感とはかなり性格を異にしている。」–ロバート・L.ダウルシュック、オール ミュージック ガイド(アメリカ)

「まるでインター・プレイが目の前で行われているかのような臨場感である。じつにライブで聴きたくなるピアノトリオの登場だ。オープニングを飾る「サイレ ンス」から15分を越えるフリー・インプロビゼイションの応酬で、このトリオの自信のほどを伺わせる。」–ドラムマガジン

「石つぶての雨嵐を降らせながら今回も硬派路線を邁進する。作曲も魅力的な人」—松尾史朗、ミュージックマガジン

「優れた日本人芸術家が、国内より先に海外で高く評価されることは(残念ながらいまだに)少なくない。ジャズピアニスト藤井郷子の場合もその一例である。 この種の音楽に馴染みのない人が聴いても、抽象絵画にも似た美しさを発見できるはず-。」–家庭画報

「彼女たちは、音量の鋭い対比や様々な楽器の音色、溢れんばかりの創造力を駆使して、新境地を切り拓いている。」–D. オスカー・グルームス、オーズプレイスジャズ(アメリカ)

Junction (2001)

–編集者選2002年度トップCD–ケーデンス

–評論家選2002年度―ロバート・インナポロ、ケーデンス

–評論家選2002年度―ジム・サンテラ、ケーデンス

CDジャーナル2001年ベストアルバム

–2001年度トップ10CD―ローレンス ドナヒュー・グリーン、オールアバウトジャズ

「“ジャンクション”・・・逆巻き、波頭が砕け散る海のようで、魅力的だ。ブラックもドレッサーも素晴らしく懐が広い――つまり、藤井にふさわしいプレイ ヤーということだ。」–ビル・ベネット、ジャズタイムス(アメリカ)

「おそらく“ジャンクション”は、ジャズの世界でロックにおけるもっともスポンティニアスな3人組、クリームの向こうを張る、私がかつて聴いた中でもっと も衝撃的で強力な、ピアノ・トリオによる作品である。」–マーク・ケレスマン、JazzReview.com(アメリカ)

「この作品集は、清冽な水の流れが渦巻き、蛇行し、速度を速めながら、水底や流れる先の砂を削り取っていく様子を、音で表現しているかのようだ。」― Jazz Today

「ここでもまた、彼女の作曲能力が発揮されているが、かつて受けたクラシックの訓練と極東のメロディー感覚、そして、バンドの仲間たちによって強調された 柔軟なリズム感をバランス良く組み合わせた本作では、その能力がより高い集中力を獲得したように思われる。」–マーク・ケナード、コーダ(カナダ)

「ピアニストの藤井郷子は、今日のジャズ/インプロヴィゼイション・ミュージックにおける輝ける存在のひとりである・・・“ジャンクション”は、私がここ しばらくの間に聴いたピアノ・トリオの作品の中でもっとも力強いアルバムだ。イチオシの1枚。」–ロバート・インナポロ、ケーデンス(アメリカ)

「藤井の音楽には、ヘヴィ・ロックのリズムやスペインあるいはフラメンコの音楽、変拍子を持つ東ヨーロッパの民謡、声明、リズムやハーモニーの繰り返し、 大量の“ニュー・ミュージック”の要素といった、彼女の幅広い興味の対象が反映されている・・・妥協のない、創造的な音楽だ。」–リック・ヘルツァー、 ジャズインプロヴ(アメリカ)

「藤井郷子はいつも決まって、新しい技法や作品でジャズ・ファンを驚かせてくれる! 藤井の新作“ジャンクション”を聴いたジャズ・ファンは、興味をそそ る、喜びと驚きに満ちた、もうひとつの複雑怪奇なマジカル・ミステリー・ツアーに連れて行ってもらったような気になるだろう。」–リー・プロッサー、 JazzReview.com (アメリカ)

「・・・(“ジャンクション”では)野心的な作曲とインタープレイによる、伝統的なトリオのコンセプトをさらに推し進めたアンサンブルの演奏を聴くことが できる。ドレッサーやブラックの力を得て、音楽に対する藤井の視点が明らかにされている。」–マーク・コロット、オールアバウトジャズ(アメリカ)

「“ジャンクション”では、ポール・ブレイとセシル・テイラーとを融合させたスタイルを持つピアニストによる、優れた演奏を聴くことができる・・・ボスト ンで学んだ藤井は、ジャズの世界を逸脱する寸前のところまで行っているが、その過程には常に興味をそるものがある。」– S.D.フェーニー、フェイス(アメリカ)

「何というトリップ感覚だろう! 藤井郷子の“ジャンクション”は、タイトル・トラックから途切れることなく、スウィングの効いた、ソウルフルな、創造的 なアイディアに満ち溢れた、現在のジャズの王道を行く音楽を具現化させている。この3人は、幅広い聴衆を魅了する力を発揮するいっぽうで、ジャズというも のがメインストリームと新しい音楽とがバランスを取ったところに在るべきだということを、頑固なジャズ・ファンに思い出させている。」–ジム・サンテッ ラ、オールアバウトジャズ(アメリカ)

「1999年以来、ピアニスト藤井郷子の評価は確実に高まり続けている。ここ(“ジャンクション”)には、創造力豊かなミュージシャンたち、強力な楽曲、 そして、死ぬほど聴きたいジャズ・ピアニストと、必要な内容がすべて揃っている。」–フランシス・コウトア、ミュージックガイド(アメリカ)

「彼女の他の作品ほど不協和な音ではないが、このディスクには、冒険心に富んだ先鋭的なジャズ・ファンの耳に訴えるものがあるはずだ。」–ジョン・バ レット、JazzUSA.com(アメリカ)

「ここではトリオの編成だが、彼女はまたもや、引き締まったハード・バップ・インスツルメンタル・ジャズで驚かせてくれる。」–トーマス・シュルツ、 Womanrock.com(アメリカ)

「・・・ピアニストは音楽の世界を探り、ところどころにパワー・コードをちりばめ、別なところではオモチャのピアノやプリペアド・ピアノのような音を聴か せている。そして、今回彼ら(ドレッサーとブラック)と組んで自信を得た彼女(藤井)は、サイドメンにも得意な部分を発揮する余地を与えている。」–ケ ン・ワックスマン、ジャズウイークリー(アメリカ)

「非常に多彩な音楽性の持ち主である。それだけに、このアルバム1枚で藤井という音楽家のすべてに触れることはできない。ただしあちこちのレーベルからコ ンスタントに発表されている作品を丹念に聴き込めば、いかにその才能が抜きん出たものであるかが理解できるだろう。」–小川隆夫 CDジャーナル

「様々な構成を試みる藤井が、本作ではドレッサー ~ブラックのオリジナルトリオにより大胆かつ繊細な演奏を聴かせた。」–ジャズライフ

「今日、地球上でもっとも高いエネルギーを持った、楽しいインプロヴァイザーのトリオ・・・。超オススメ・・・。ただもう、素晴らしいの一語に尽きるアル バム。」–ロコッド・ザッジ、インプロヴィジャズエイションネイション(アメリカ)

Toward, TO WEST (2000)

–年間ジャズトップテン–ネイト・チネン、フィラデルフィアシティペーパー

–2000年度トップテンCD批評家選–ジェリー・デソウザ、コーダ

–2000年度日本ジャズ賞7位–スイングジャーナル

「星4つ半。ピアニスト/作曲家の藤井がマーク・ドレッサー(ベース)とジム・ブラック(ドラムス)という名手たちと組んだ、このトリオ作品は音の宝庫 だ・・・もっとも躍動感のある作品。」–マイク・チェンバレン、ザ アワー(カナダ)

「繊細にゆらめくパーカッションに逞しいベースやピアノが取って代わると、瞬く間に藤井流の高エネルギーの音楽へと突入する・・・ハイライトを飾るのは、 ‘ザ・ウェイ・トゥー・ゲット・ゼア’の嵐のような力強いジャズで、これがトリオの演奏かと思うとまさに驚異的である。」–アンディ・ハミルトン、ザ・ ワイアー(イギリス)

「今まで発表された中で、彼女にとってもっとも重要であり、もっとも音楽的成果の大きな作品・・・意思のはっきりとしたソロや起伏のある流れ、そして切れ 味のある演奏を展開するばかりでなく、藤井は自らの音楽の中に様々な隠しテーマや、交錯する音の流れを注ぎ込む・・・しかも、藤井というスターが地平線か ら急速に昇るのを観ていると、彼女が頂点を極めるまで、まだまだ先があるように思えてくる! 超オススメ。*****(5点満点の5点)」
–グレン・アスタリタ、オールアバウトジャズ(アメリカ)

「藤井郷子は、大胆なインプロヴィゼイションを展開するオーケストラと、より小さい編成ながら、このオーケストラに匹敵するサウンドを聴かせるアンサンブ ルとの活動で知られている。アルバム“トワードトゥー・ウェスト”で、藤井はより思慮深く、穏やかな側面を見せている・・・より落ち着きのあるこの音楽に よって、聴き手はこれまでのどのアルバムにも増して、藤井を身近に感じることができる。」–トム・シュルツ、アウトサイト(アメリカ)

「“トワード・トゥー・ウェスト”は、彼女をモダン・ミュージックにおける創造力の頂点に据える作品である・・・1曲目の32分におよぶ演奏では、楽曲が インプロヴィゼイションや暗示的な旋律と絡め合わされ、もはや両者を区別することは不可能である。これは、トリオによるすばらしいインタープレイや平等 性、そして藤井のジャズに対する開放的な方法論の賜物である・・・彼女はセシル・テイラー的だが、音の雨の中には良識がうかがわれ、聴き手を放ったらかし にすることもない。」–マーク・コロット、オールアバウトジャズ(アメリカ)

「彼女のこれまでの作品の中でも、もっとも完成度が高い。ベーシストのマーク・ドレッサーやドラマーのジム・ブラックの見事な伴奏が、藤井を創造力豊かな 第一級の若手ピアニストの地位へと押し上げている。」–S.D.フィーニー、フェイス(アメリカ)

「互いの音楽を理解しあって交流を重ねてきた気心通じ合う仲だけに、といいたいところだが、この演奏はそんなありきたりの和気藹々を突き抜けている。この 透徹した一体感を生み出しているのが何かといえば、音楽を組み立てる彼女の卓越した構造力と楽想を展開する知的エネルギーの明晰さだ。」–悠雅彦、CD ジャーナル

「藤井郷子は、心地良くスウィングすると同時にアドレナリンの分泌を促進させるような音楽を創り出す・・・藤井の音楽の個性は、コンテンポラリーやワール ド・ミュージック、ファンク、ニュー・オーリンズ、モダン、ラテンなどをひとまとめにして、ジャズというひとつの系列の中で取り合わせているところにあ る。」–ジム・サンテラ、オールアバウトジャズ(アメリカ)

「まったく妥協をみせないハードな音楽を提示しつつ、彼女の音楽には、常に”他に向かって開かれた回路”が感じられる。」–村井康司、CDジャーナル

「なんと、確信に満ちた音であるのか。凛とスジが通っている。その表現の幅の広さ、質の高さ。その奥にしっかりと息づく、確固とした個体。いま信頼できる ジャズ・ピアニスト~ジャズ体現家、その最たる人。」–佐藤英輔、スイングジャーナル

Kitsune-bi (1999)

「藤井郷子は、セシル・テイラーの超人的な運動性を持った不協和音と、ランディ・ウェストンやアブドゥラ・イブラヒムといったピアノ・プレイヤーたちの、 どちらかといえば瞑想的なスタイルとの間を行く存在である。藤井はジャズを、閉ざされた空間の沈黙に向かって突き出す、完全に構築された建造物のように作 り変えている。内面の探求と冒険に満ちた、親しみのわくアルバムである。」――マイケル・クレイマー、ニューヨーク・タイムズ(アメリカ)

「この素晴らしい作曲家、インプロバイザーピアニストは毎作ごとに良くなっている。彼女の新しいアルバム”Kitsune-bi”も例外ではない。」– リチャード・ゲア、ヴィレッジヴォイス(アメリカ)

「藤井の音楽を初めて知る人にとって理想的な作品。」–スチュワート・ブルーマー、コーダ(カナダ)

「藤井はすでに、高音域の空気のように繊細な旋律や持続音と、嵐のようにうねるベース音や雷鳴のような暗澹たる和音とを、バランスを取りながら活き活きと した形で対比させる術を心得ている・・・即興音楽においてもっとも刺激的な若手ピアニストのひとりである。」――ジェイムズ・ヘイル、オタワ・シチズン (カナダ)

「ウーン、カッコ良い。やられた。このアルバムから出てくる様々な表情の音達に聴き手は恐ろしいまでに圧倒されること間違いなしだろう。」–浅野廣太 郎、ジャズライフ

「藤井は型にはまらない音楽世界の中にいる。彼女は、あるときには強固で、またあるときには瞑想するかのような表情を見せながら、常に聴き手を捉えて離さ ないその演奏からもわかるように自由というものをに固有のものとして受け取っている・・・。このレコーディングは、音楽に詳しくないファンにとっても、聴 くだけでその価値がわかる作品である。」――フランク・ルボリーノ、ケーデンス(アメリカ)

「藤井は、伝統的な日本のメロディーと現代の創造的なインプロヴィゼイションとを取り合わせるという難関を、巧みに乗り切っている。しかも、彼女はそれを 戦士のような勇敢さでやってのけているのである。」――フレッド・ジャング、ジャズ・ウィークリー(アメリカ)

「即興性を重んじるジャズにおける藤井郷子の創意工夫と実験・・・ここでもまた、それは瞠目すべきものであり、ひとつの基準をなすものである。」――ブ レット・マトソン、ヴィクトリー・レヴュー(アメリカ)

「さて、藤井の壮大なピアノが創り出す世界は、われわれの母親連には受け入れられないだろう・・・。就寝前には聴かないこと。」――デイヴ・マッケルフ レッシュ、ジャズ・ナウ(アメリカ)

「・・・この、ポール・ブレイの弟子による音楽はきわめて密度が濃く、恐ろしいほどの躍動感と名人芸が発揮されている。オススメの作品。」――トム・シュ ルツ、アウトサイト(アメリカ)

「藤井郷子は、頑固なピアノ・ジャズのテンポや劇的効果に対するすばらしい感覚を持っている・・・。そのサウンドは魅力的で開放感がある。」――アンド リュー・バートレット、アマゾン・コム(アメリカ)

「鋭い感性と豊かなイマジネーションの個性的な表現に叙情美も光ってひきつけられる」–青木啓、朝日新聞

Looking out of the Window (1997)

–1998年度トップテン評論家選–ダンテ・ソウアー、ジャズイズ

–1998年度トップテンCD批評家選–ジェームス・ヘイル、コーダ

–1998年度トップテンCD批評家選–ウイリアム・マイナー、コーダ

「藤井は、セシル・テイラーのような過激さを楽しむ気分を持ったインストゥルメンタリストである。彼女は、まるで子供が誕生日のプレゼントの美しい包装紙 を破り捨てるように、どんなに器用に包み込まれたメロディーでも引き裂いてしまう。それは向こう見ずで、餓えており、制止することもできないほどである。 しかも、やはりテイラーのように、彼女は共演者たちにも、同様の感覚や冒険心を要求する・・・。沈着冷静なベーシストのマーク・ドレッサーと、柔軟性のあ る若手ドラマーのジム・ブラックと共に、藤井は強烈かつ快活な音楽を創り上げている。」―ウィリアム・スティーヴンソン、ジャズイズ(アメリカ)

「藤井郷子は、レコーディングを重ねるごとに様々な音楽的側面を見せながら、変化と成長を続けている。『ルッキング・アウト・オヴ・ザ・ウィンドウ』は伝 統的なトリオという環境での演奏だが、爽快な気分の作品である・・・。藤井は、以前のどのレコーディングよりもマリリン・クリスペルあるいはセシル・テイ ラーに近いサウンドを出し、渦巻くようなふたつの旋律の流れをひとつの音の奔流へとまとめ上げている。曲の中盤で、藤井とブラックはもうひとつ別な次元へ と移り、目まぐるしいほどの速さで音楽信号を交換している。」――ジェイムズ・ヘイル、オタワ・シチズン(カナダ)

「再び藤井の輝かしい作品だ。」–クリス・ルウン、ヴィクトリーレビュー(アメリカ)

「この素晴らしいピアノインプロバイザーはこのトリオを実事に飛翔させている。アルバムのはじめから水晶の様なインプロビゼーションだ。・・・藤井は伝統 的なジャズが好きな人たちでさえすぐに夢中になってしまう様な音楽を作っている。超推薦盤。素晴らしい音楽だ。」
–ディック・メトカフ、インプロビジャズエーション ネーション(アメリカ)

「藤井郷子の最新のレコーディングによる2枚のアルバムは、トリオとオーケストラとの両方の編成で、活き活きとした若手ピアニストである彼女の演奏と、オ リジナルの曲とを収めた作品である。『ルッキング・アウト・オヴ・ザ・ウィンドウ』では、ベースのマーク・ドレッサーとドラムスのジム・ブラックとを迎 え、伸び伸びとした展開を見せ、聴き手を驚かせてくれるような物語で構成された音楽の中で、対等な立場で感じるままに演奏し、アルコによる豊かな音のベー スや繊細なピアノの間奏は、演奏者たちのクラシック音楽への志向を示している。セシル・テイラーやドン・プーレンのような、打楽器的な性格を持ったピアノ がお好みの向きには、そういった要素もふんだんに盛り込まれていることを付け加えておく。」――ピート・ガーション、サウンドボード(アメリカ)

「柔軟な感性と強靭なパワーを持つふたりの俊英を従え、定石を破壊しつつフリーインプロヴィゼーションを展開していく彼女のプレイはいささかも硬直する事 なく、ある時は“間”を生かして、またある時は空間を埋め尽くすように、実にしなやかに進行していく。出てくる音の色彩は対照的だが、構造に関する彼女の スタイルの取り方は、やはり尊敬する師ポール・ブレイとの共通性を感じさせるものだ。」–大村幸則、スイングジャーナル

「藤井は、正真正銘のエネルギーと創造力とで、ステージを我が物にしてしまうことのできるプレイヤーたち(マイラ・メルフォードやジェリ・アレンなどが思 い浮かぶ)と同じ次元にいる。ドレッサーにブラックという、持ち前の躍動感でセッションを盛り立てることのできる有能なアーティストたちを起用したのは、 彼女の功績である。藤井の音楽スタイルは、フリーな演奏と各々の作品に共通したメロディーの美しさとを両立させながら、同時にそれらを体系的に分離させる という、珍しいものである。彼女の創り出す音型は、調性に則りながら密度の濃い内容を持った知的な旋律の中に現われては消える。藤井は力強さと繊細さとを 発揮し、ドレッサーとブラックは展開の速い構成に手袋のようにぴったりと追随している。聴き応えのある作品である。」―フランク・ルボリーノ、ケーデンス (アメリカ)

「彼女の演奏は実質的で興味深い。タッチも明解で、それがそのまま彼女の志向をも聴く側に伝えてくる。装飾などを廃して、自分の考える演奏に徹していると いうその姿勢が軽快感を与えるのだろうが、ずっしりとした手応えを与える作品として記憶に残りそうだ。」–杉江幸彦、ジャズライフ

コメントを残す

メールアドレスが公開されることはありません。 が付いている欄は必須項目です