藤井郷子ピアノソロ

CD “Sketches” (2004)

–今年度のナンバー2CD–サム・プレスティアーニ、2004年度批評家選、ジャズイズ(アメリカ)

「彼女の最も優れた作品」–D.オスカー・グルームス、O’s プレース ジャズ ニューズレター(アメリカ)

「曲のタイプはさまざまだが、しかしどの演奏をとっても、藤井郷子しか出さない響きが横溢している。…近年聴いた最高のソロ。」藤本史昭(スイング ジャーナル)

「この作品には、叙情的な水彩画風の幻想から無調の音塊の爆発まで、幅広い表現が盛り込まれている。それはまた、(a)ピアノがまさに打楽器的な楽器であ ることと、(b)藤井がアパートの住人ではないことを、はっきりと示すものでもある。」–ボブ・ジノヴェイシ、ボディー アンド ソウル(アメリカ)

「耽美で流麗な無調ピアノ、気骨あるブギウギ風のげんこつタッチ、ヒステリックプレイ…..さまざまに変貌しながらどれも毒を持ったトゲを逆立て、予 め企んだスムースさで妖艶たる禁断世界へと誘惑するのだから危険である。」長門竜也(ジャズライフ)

「・・・11曲の驚くほど躍動感のある、凝縮された、切れ味鋭い、叙情的な音楽はすべて、テープを止めることなく2時間でレコーディングされたものであ る。ジャズというジャンルに収まりきらない、ピアノを扱う標準的な様式や方法を超越しながら、次から次へと繰り出される音符の全てが切っても切れない関係 でひしめき合う、完璧に構成された建築のような演奏を、他のどのような言葉で表現すれば良いのだろうか? 時間が許せば、このCDを最後まで一気に通して 聴いてみていただきたい。ある時は連続し、またある時は切れ目を挟む曲のつなぎ目も、この見事に作り上げられたアルバムの効果を高める役割を果たしてい る。」–ヨタム・ハバー、ニューミュージックボックス(アメリカ)

「8年ぶりとなるソロ・レコードで、藤井郷子は内なる衝動を解放している・・・。彼女は多くの手法を使い分け、個々の曲を丁寧なアーティキュレイションで 構築している。」–ジェリー・ドソウザ、オールアバウトジャズ(アメリカ)

「・・・藤井氏のソロ・レコーディングとしては、『Indication』以来久しぶりの作品である。・・・(彼女は)名手と呼べるタッチを駆使し、音塊 を響かせる時にも、慎重に並べた音符とそれらの減衰音のバランスを取っている。彼女はまた、弦を引っかいたりかき鳴らしたりする奏法や打楽器風のリズム で、自身の演奏に変化を付けている・・・。彼女の演奏には、カルテットの時には十分に反映されていなかった、ロマンティックな優雅さが表れている・・・。 次のソロ作品までは、あまり間を空けないように願いたい。」–マイケル・ローゼンスタイン、ケーデンス(アメリカ)

「『スケッチズ』では、より瞑想的な雰囲気の中で演奏する藤井の姿が捉えられている。そして、フリー・インプロヴィゼイションの精神と共に、彼女のクラ シックのルーツも引き出されている・・・。偶像破壊者のようでもあり、冒険的でもある、魅力的なアーティストだ。」–ダン・マクレナガン、オールアバウ トジャズ(アメリカ)

「『スケッチズ』は、ポスト=モダン風のピアノ・インプロヴィゼイションによる、様々に雰囲気の変化する劇的な展開の冒険である。」 –マーチン・ウイ スコル、オレンジ カウンティ レジスター(アメリカ)

「ある時には、彼女が長い間埋もれていたドビッシーの作品を演奏していると確信することもあり、またある時には、元気の良い子猫が鍵盤の上を跳ね回ってい るような遊び心を感じることもある。そして、ある瞬間にはブルースの気分が忍び込むが、ブルースの旋律はその前後を衝撃的な音塊ではさまれる・・・。私は 通常、ソロ・ピアノの音楽を楽しむことはないが、この作品は最初から最後まで、私の興味を捉えて離さない。」–ジョン・デイヴィス、エクスポーズ(アメ リカ)

「たった2時間でレコーディングされたという、これら11曲のインプロヴィゼイションは、藤井の優れた技巧と想像力を証明する注目すべき結果である。」- -ダンカン・ヘイニング、ジャズワイズ(アメリカ)

「彼女は印象派的で示唆に富んだ、ある時は遊び心を感じさせ、またある時はその勢いで聴き手を圧倒するような作品を創り上げた・・・。深く心を捉えて離さ ない、聴き応えのある音楽だ。」–ポール・ドネリー、ejazzニュース(アメリカ)

「・・・すぐにそれとわかるクラシックの影響(主に印象派)が、時折見られる楽器の音色を探るような場面では打ち消される。同じように劇的なのは、極東風 のモード的手法とブルースに首まで浸かったハーモニー、あるいは、吹き抜けるようなネオ・テイラー風の音の炸裂とのコントラストである・・・彼女はこのア ルバムで、グランド・ピアノの持つ純然たる音の美しさを探る機会を与えられている。」–マーク・ケナード、コーダマガジン(カナダ)

「ある時は天界の気体の中を漂い、またある時は下界の炎を猛烈な勢いでくぐり抜けながら、藤井郷子はその場で思うがままに伸び伸びとアイディアをつむぎ出 す・・・。このピアニストは、自由に流れ出るアイディアの世界を聴き手に示し、万国共通の言語を本能的な感覚で駆使しながら、各々のアイディアを無理なく 結び付けている。」–ジム・サンテラ、オールアバウトジャズ(アメリカ)

CD ”Indication” (1996)

2005年度トップテン再発CD–マイケル・ローゼンスタイン、ケーデンス

「“Indication” は、藤井のミニマリストスタイルと彼女の間と静寂の使いかたをリスナーにきかせる大きな機会を与える。藤井のイントロは品位 があり、彼女のアプローチは『春よこい』『Vague』で聴ける様にしばしば冥想的だ。彼女はまた『210』で聴ける様に、突然の予想できない変化でびっ くりもさせる。『月の砂漠』は映画のサウンドトラックに連想する様なサスペンスに満ちている。」–マルセラ・ブレトン、ジャズタイムス(アメリカ)

「最も鮮明なのは、彼女の音楽家としての完全性だ。藤井は全ての事を使いこなす。彼女のテンポは呼吸をする様に自然に満ちて漂う。特に、彼女の世代にあっ て、この様な成熟した間の概念を有するピアニストを聴く事は、大変はげまされる思いだ。藤井は既に素晴しい演奏家だ。このCDは最上の芸術的処理がなされ た快心作である。」–クリス・ケルゼイ、ケーデンス(アメリカ)

「彼女の魂が輝きあふれる。このCDは長く私のコレクションとなるだろう。これは私が長年聴いてきた中で最も才能にあふれ、表現豊かなソロピアノのひとつ だ。最も高く推薦する。」
–ディック・メトカフ、インプロビジャズエーション ネーション(アメリカ)

「その音楽は、瞑想に耽るような、空間をたっぷりと取った静かな場面から、鉄槌で殴打するような猛烈な混乱状態まで、モード的な調和したから無調の音塊ま で、表現の幅が広い。彼女が活動を始めたばかりの頃から、その音楽には、師であるポール・ブレイやクラシックの訓練の影響が色濃く表れていた。しかし、イ ンプロヴィゼイションに様々な影響を取り込んだ手法の萌芽は、容易に見出すことができた。」–マイケル・ローゼンスタイン、ケーデンス(アメリカ)

「サウンドと静寂のコントラストにより、印象づけられる。大変ドラマチックで、驚きにも満ちている。」–ジャック・バーク、ワックスワークス(アメリ カ)

「このソロピアノの輝かしいシリーズに打ちのめされた。”Indication”は1970年代初期のキース・ジャレットの”Facing you”への私の熱狂を思い起こさせる。、藤井はその流れをくむ。彼女のクラシック音楽の素養とともに。驚くべき力量だ。」–マイケル J. ウイリアムス、アメリカンレポーター(アメリカ)

「クリアでかつ力が内側にこもった音色で日本の伝統的な曲を解体してゆく。自作の曲は曲で創意に満ちているもの。でもヘビーなものではなく遊び心に満ちて いる!」
–田中公一朗、 Jazz Life

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