SATOKO FUJII & NATSUKI TAMURA

Live

「フェスティバルのベスト…彼女は小柄でピアノの椅子を高くしなくてはならなかったが、その音楽のスケールは大きかった。ピアノから最もパワフルで表情豊 かなサウンドを引き出す事を心得ている。…そして、ふたりでは、そのその総和よりもより大きくなす。このような直感とコミュニケーションはまれだ。」– アダム・キナー、ザ・ギャゼット、モントリオール(カナダ)

「…田村とのデュオはあらゆるムードを最も繊細な音色で表現していた。」–マイク・チェンバレン、オタワ・エクスプレス(カナダ)

「これは、遊び心に満ちた音楽的会話と旋律、ポリリズムの応酬の音楽だ。…その楽器で最も独創的で創造的な藤井と、等しく惹き付ける田村がここではさらに スケール大きく、他では聴けないような演奏をフューチャーする特別な演奏をする。」イアーショット(アメリカ)

「…シンセサイザーに藤井郷子、トランぺッターの田村夏樹、日本で最も大胆で知られているふたりのジャズミュージシャンが加わる。」–アンドリュー・ギ ルバート、コントラ・コスタ・タイムス(アメリカ)

「彼女はクラスターを使う抽象表現主義者で、独自の指使いでフリーの演奏の中にリズミックなモチーフを見いだし、巧みにそれを操る。彼女は土曜日に夫の田 村夏樹とメトロポールにやって来る。彼らは意味深いやりとりで演奏する。」–ロスアンゼルス・シティー・ビート(アメリカ)

「…それに加え、鍵盤奏者の藤井郷子とトランぺッターの田村夏樹は解釈を大きく広げる。ふたりは、決められた一曲のなかでさえ、自信を持って極端なミニマ リストの高音での停止や、フリーのリフをダイナミックに使うチームだ。」–マーチン・ロングレイ、ザ・スティラー(アメリカ)

「いずれにしても、どんなシーンでもぴたりとその場にはまる田村・藤井の力量はただならない。音楽の背骨はまっすぐで、あとは臨機応変自由自在のノマドぶ り…」–丘山万里子、ジャズ・トーキョー(日本)

「なにしろ懐の深さはたいへんなもの。….創造力のおもしろさで聴かせまくる耳に豊かなイベントである。….この2人の音楽の爽快な力は何度聴いても目減 りしない。」–湯浅学、ジパングニュース(日本)

「田村夏樹、藤井郷子夫妻が活動先の米国から帰国したのが1997年。以来、2人は人々の間に新風を吹きこみ続けて来た。」–悠雅彦、朝日新聞(日本)

「鍵盤のはじからはじまで駆使し、トランペットの潜在能力のあらゆるニュアンスを使い、藤井郷子と田村夏樹は、アバン・ギャルド・ジャズの可能性を広げる ためにカフェ・メトロポールに登場した。…デュオはその創造力に満ちた2セットで聴衆を魅了した。」–ジム・サンテッラ、オール・アバウト・ジャズ (アメリカ)

「ふたりは、決して眠らないような、超生産的な創造的なミュージシャンだ。」–ロバート・イアナポッロ、オール・アバウト・ジャズ(アメリカ)

「藤井と田村は長い事、あらゆる編成で彼らの共感する調和を研ぎすませて来た。」–トロイ・コリンズ、オール・アバウト・ジャズ(アメリカ)

CD ”Chun” (2008)

尊敬すべき功績–ジャズ・コンスーマー・ガイド、ザ・ヴィレッジ・ヴォイス

年間ベストCD–ウエィン・ゼイド、ジャズ・トーキョー

2008年トップ10–ダン・マクレナガン、オール・アバウト・ジャズ

2008年度必須–ヴァレジョノクターノ

優れたニュー・ミュージック・リスト–フリー・ジャズ

必携–ステッフ、フリー・ジャズ

「四つ星、藤井のオーケストラ的テクニック、クリアのクロマチックラインと“プリペアード・ピアノ”の特殊な表現が田村のトランペットの全音域を使う心地 よい歌うような特別のテクニックとよい対象となっている。」–テッド・パンケン、ダウンビート(アメリカ)

「夫妻のデュエット。彼のトランペットは暖かく、サポートにまわり、彼女のピアノは激しく、前面のでる。」–トム・ハル、ザ・ヴィレッジ・ヴォイス(ア メリカ)

「『チュン』は相互に影響し、解放されるのを可能にするような藤井の楽曲を通して、この夫妻を特色づける。」–リチャード・カミンズ、ハートフォード・ クーラント(アメリカ)

「『チュン』の音楽は大胆で厳格で徹底的に心を奪われる。藤井と田村のもうひとつの悩殺的な演奏だ。」–スチュアート・クレムスキー、ザ・IAJRC ・ジャーナル(アメリカ)

「トランぺッターの田村夏樹とピアニストの藤井郷子は、多様なアンサンブル構成で共演しているが、彼らのデュエットのCDは特別に濃い鑑賞体験だ。」– ダン・マクレナガン、オール・アバウト・ジャズ(アメリカ)

「今日最も重要な作曲家の増え続けるディスコグラフィーのもう1枚の輝かしい作品、『チュン』は限界を知らない繊細なインタープレーのふたりのミュージ シャンの際立った作品だ。」–トロイ・コリンズ、オール・アバウト・ジャズ(アメリカ)

「郷子がペダルを踏むと、ちらちらと光る和音の層が聞こえ、海の底にいるように感じる。『インフレアード』では、ふたりがいたずらっぽく、お互いの音の廻 りを旋回する。ここでは、完全にともに演奏し続けているふたりのミュージシャンの一貫した意思の疎通がある。…『チュン』は素晴らしい藤井―田村チームの もうひとつの逸品だ。」–ブルース・リー・ギャランター、ダウンタウン・ミュージック・ギャラリー(アメリカ)

「彼らはたくさんのプロジェクトを一緒にしてきたが、それでも、デュオのフォーマットでは、新鮮で創意に富んでいる。…多くの多様な音色も聴ける。…デュ エットの形態では、このふたりは、ほとんどテレパシーでやりとりしているようだ。」–ロバート・イアナポロ、オール・アバウト・ジャズ(アメリカ)

「藤井の音楽は正反対なもののおいしい調合 : いくつか例を上げると、メロディーとサウンドそのもの、緊迫感のあるエネルギーと冷静な内省、構造と自 由。彼女の演奏には、歓喜と大胆さとたっぷりのユーモアが、あらゆるアプローチから、角度から認められる。彼女は全ての音に完全に自分自身を注ぎ込む。… 『チュン』は藤井郷子と田村夏樹の非常に創造的な世界のまたもうひとつの観点での門戸を開く。」–バド・コプマン、オール・アバウト・ジャズ(アメリ カ)

「藤井はその作曲でいつもよりさらに創造的だ。ダイナミクスとペースは過激で、メロディーは挑戦的。」–D.オスカー・グルームス、オーズ・プレース (アメリカ)

CD ”In Krakow, In November” (2006)

新しく、特記すべき—Jazziz(アメリカ)

年間トップ・テン–ビル・バートン、コーダ(カナダ)

尊敬すべき功績–トム・ハル、ジャズ・コンスーマー・ガイド、ザ・ヴィレッジ・ヴォイス(アメリカ)

2007年トップ・デュオ・レコーディング–ディヴィッド・アドラー、ラーターランド(アメリカ)

「一抹の郷愁、哀愁感を漂わせるが、けっして暗くなく、聴く度に滋味が増しそうだ。」–松尾史朗、ミュージックマガジン(日本)

「非常に知的な音楽….彼らを聴きに行きたいものだ。」–ドナルド・バイアード、オープニング・コーラス、ジャズ・タイムス(アメリカ)

「様々な要素を取り込む開放的な耳の持ち主であり、様々なグループによる作品を数多く生み出してきた藤井が、トランペッターの夫、田村夏樹と共に制作し た、3枚目のデュオ・アルバムである。ファンにとってはお馴染みの楽曲だが(中略)、ここではふたりがより高度な表現力を発揮している・・・。メロディー と内省的な気分がこの『In Krakow』の鍵を握っている。タイトル曲は東欧風のイメージが印象的で、哀愁迫る田村の演奏は、マイルス・デイヴィスの『死刑台のエレヴェーター』を 思わせる。「Morning Mist」もまたGato Libreのレパートリーだが、ここではうっとりするような印象派風の演奏となっている。アルバムは、光明に満ちた思慮深い「Inori」で幕を閉じる。 彼女の要求する水準はもともと高いが、このアルバムは人の心を動かす説得力のゆえに、藤井の優れたレコーディングのひとつに数えられる作品となってい る。」–アンディ・ハミルトン、ザ・ワイア(イギリス)

「田村と藤井は東洋の仏教の影響なのか、リズムで動きがある時でも静止を創り出す。…間違いなく新たな可能性だ。田村と藤井の演奏には、このデジタルの時 代に情念を抑制するスイッチをきかせる新しい方法のヒントがあるのではないだろうか。」–チャック・グラハム、タクソン・シチズン(アメリカ)

「藤井と田村は、音楽の上でも私生活の上でもパートナー同士である・・・。この作品には、優れた点が2つある・・・それはこのデュオが一緒になって生み出 す響きと、ふたりが醸し出す雰囲気である。とびきり上等な深夜の音楽とも言えるが、恐れることなく境界を押し広げようとする音楽でもある。大物の気品と、 聴き手を誘惑するようなしたたかさも持ち合わせている。それと同時に愛嬌やユーモアが感じられるのは、気持ちのこもった演奏ならではの特質かもしれな い・・・。聴く喜びを何度も味わわせてくれるアルバムだ。」–ダンカン・ヘイニング、ジャズワイズ(イギリス)

「田村夏樹と藤井郷子の夫婦チームは、アヴァンギャルド・ジャズをより幅広い聴衆に伝えるべく、猛烈な勢いで活動を続けている。ふたりの創造力が発揮され た冒険的な音楽には、レスター・ボウイーやムハル・リチャード・エイブラムスといったAACMのメンバーたちが打ち出した、ワクワクするような作品をほう ふつとさせるものがある。この創造力豊かな夫婦は世界中にその活動の場を広げ、音楽的な発想を自由に巡らせるとどうなるかを、積極的に実演して見せてい る・・・。2005年にレコーディングされたこのデュオ作品に収められたいくつかの曲は、ふたりが過去に発表したアルバムで親しんだものである・・・。と はいえ、ふたりの自由で創造力あふれる魂に火が点けば、同じことの繰り返しにはならない。どの曲も、爆発するような勢いと豊かな叙情性が相まった、完全に 新しい内容の演奏になっている。打楽器を思わせる藤井のピアノは、低音域まで下りて行ったかと思えば、高音域を使った雷鳴のような和音で悲鳴を上げる。そ れと同様に、田村の陰鬱なトランペットも、次なる驚きを探りながら高低自在に飛び回る。ふたりはしばしば、宙高く舞う天使たちのように悲しげなうめき声を 上げる・・・。質の高い芸術作品の多くがそうであるように、藤井と田村の創造性豊かな音楽は、様々な印象を与えてくれる・・・。この作品も、あらゆる人々 に楽しんでもらえるはずだ。」–ジム・サンテラ、オールアバウトジャズ(アメリカ)

「『In Krakow, In November』がレコーディングされたのは・・・つまり、2005年11月のクラクフ(ポーランド)である。アルバムは、ラジオ・クラクフのためのス タジオ・セッションをまとめたもので、ふたりはこれを機に、主にSatoko Fujii FourやNatsuki Tamura Quartet、田村のGato Libreのレパートリーの中から、ヨーロッパ民謡の影響を受けた作品を選び、改めてデュオの形で演奏することにした。セッションでは、通常なら荒々しい 演奏になる「Explorer」(これまでは、全面的に電気楽器を取り入れた大騒ぎのような演奏で知られてきた)や「Ninepin」(Fujii Trioのライヴではお馴染みである)といった曲も取り上げられているが、全体的にはGato Libreのアルバムを思わせる、静かで可憐な作品となっている。どの曲も、ピアノとトランペットで演奏するために注意深く見直されており、Gato Libreの2枚のCDから選び出された曲でさえ、大幅な変更が加えられている。『In Krakow, In November』は、サティ風のもの(「Strange Village」や「Morning Mist」)からレニー・トリスターノ風のもの(息を飲むほど素晴らしい「Inori」)まで、落ち着いた雰囲気の夜の音楽を提供してくれる。少ない音数 により多くの表現をめざしているようだが、その音楽には、たっぷりと気持ちのこもった重みがある。Gato Libreに魅了された人なら、次にはこの『In Krakow, In November』を買うのが自然である。」–フランシス・コウチュア、オールミュージックガイド(アメリカ)

「この飾り気のない、アクースティックな楽器による藤井と田村の気品あふれる対話や饒舌な会話には、テレパシーにも近い完璧さがある。」–トロイ・コリ ンズ、ケーデンス(アメリカ)

「『In Krakow, In November』を聴くと、ピアニストの藤井郷子とトランペッターの田村夏樹のアヴァンギャルドな姿勢が、ヨーロッパ音楽の影響によって和らげられたと 思うかもしれない。近年に発表された田村のグループGato Libre――藤井はここでアコーディオンを弾いている――の2枚の作品と同様、この作品にも、ヨーロッパの民謡とクラシックの様式を探ったふたりの感覚 がにじみ出ている・・・。とはいえ、以前にこのふたりのアーティストが共に、あるいは、藤井の『Sketches』(NatSat 2004)や田村の『Ko Ko Ko Ke』(NatSat 2004)で個別に探った、和やかな雰囲気の音楽とふたたび取り組んだというほど、今回の作品は大人しくはない。『In Krakow, In November』は、ピアノとトランペットだけというデュオによる簡素な作品である。メロディーが音楽の中心に据えられ、田村と藤井の得意な――大編成 のアンサンブルや電気楽器を用いたふたりの作品では、覆い隠されていたかもしれない――部分が、こうした切り口のサウンドの中で発揮されている・・・。収 録された曲はすべて、今までに藤井や田村が率いた他の様々なアンサンブルでレコーディングされたものだが、このディスクでは、同じ曲がたった2台の楽器で 演奏されることによって、興味をそそる遊び心と、しばしば高貴な印象さえ与える内省的な性格が、藤井と田村が醸し出す独特な緊張感と相まった、楽曲の純粋 に本質的な部分をわれわれは耳にすることができるのである。」–ダン・マクレナガン、オール・アバウト・ジャズ(アメリカ)

「絶え間ないツアースケジュールと60年代のレーベル契約レコードリリースにも匹敵するような、田村と藤井の絶え間ない創造力。…『イン・クラクフ・イ ン・ノーヴェンバー』は現在の彼らの音楽をよく表している。…藤井と田村はともに美しく演奏する。」–カート・ゴシャック、オール・アバウト・ジャズ・ ニューヨーク(アメリカ)

「この作品は私の中で成長し続ける。….堅固で力強い音楽。」–トム・ハル、オン・ザ・ウェブ(アメリカ)

「藤井郷子、田村夏樹夫妻がまたやった。そして、なんと!このCDは最初から最後まで素晴らしい。…親密な音楽的関係をとそれぞれの楽器の完璧なマスター であるカップルによる、最も高いレベルのモダンジャズ。素晴らしい!」–ステッフ、フリー・ジャズ(ベルギー)

「収録曲は田村の5曲と藤井の3曲。藤井はその作曲で広く評価を集め始めていて、まさにそれに値する。田村も同様に絶賛されるべきだ。深く、叙情的で、情 熱的。『イン・クラクフ・イン・ノーヴェンバー』は絶対に聴くべき作品だ。」–ビル・バートン、コーダ(カナダ)

「ピアニスト、藤井郷子とトランぺッター、田村夏樹は見事なチームだ。彼らはカルテットのプロジェクトでも一緒だった。藤井と田村はお互い、新鮮な観点を 持ち寄り、その才能でわかりきった事を普通ではないものに変えてしまう。それがこのCDを聴きがいのあるものにしている。」–ジェリー・デソウザ、オー ル・アバウト・ジャズ(アメリカ)

「藤井と田村の音楽を聴いた事のない人には、『イン・クラクフ・イン・ノーヴェンバー』は完璧な入門編だろう。多くの曲はクラシック音楽のフィーリングと はっきりしたハーモニーと構成を持ちつつ、他の部分は実に自由だ。」–バド・コプマン、オール・アバウト・ジャズ(アメリカ)

「このふたりの熟練した音楽家の録音による音色とフィーリングには大変な価値がある。」–D.オスカー・グルームズ、オーズ・プレース(アメリカ)

CD ”Clouds” (2002)

2002年度トップ10CD–マーク・チェンバレン、コーダ

2002年度トップ10CD–ウイリアム・マイナー、コーダ

「この、トランペットとピアノによるフリー・インプロヴィゼイションは、演奏もレコーディングも素晴らしく、ケニー・ホイーラーとポール・ブレイのデュ エットによる傑作を思い起こさせる。田村は、うなり声や羽ばたきのような音、ほとばしり出るような音、スプリット・トーンなど、様々な新しい奏法や音色の 素材を駆使して、極めて個性的なサウンドを創り出している・・・。ふたりが音符と音符の間を演出する術をいかに心得ているか、それは神秘的であり、印象的 であり、驚異的である。」–ラリー・アッペルバウム、ジャズタイムス(アメリカ)

「藤井郷子の創造力には圧倒される。彼女のピアノは、セシル・テイラーのように野性的で獰猛な音も、ラン・ブレイクのように瞑想的な音も奏でることができ る。もちろん、実際の彼女は他の誰とも違う音を出している・・・『クラウズ』は遊び心のある静謐な作品で、空間の使い方は劇的である。」–スティーブ・ グリーンリー、ボストングローブ(アメリカ)

「どこを取っても精妙なインタープレイだ。藤井と田村は、感傷的にならずに美しさや空間、沈黙、ユーモアといったものを表現している・・・。即興音楽とい うものが、感情的な奥深さと聴く楽しさとを兼ね備え得ることの証明である。藤井と田村が描き出す6種類の雲は、そのどれもが、希望の光を放っている。」- -ピーター・マーシュ、BBC(イギリス)

「田村と藤井の関係にとって、音楽は欠かせないもののようである・・・。この作品でも、二人の息はぴったりで、演奏の大部分は自由奔放で、怒涛のように湧 き上がるふたりの想像力に駆り立てられたかのようなものにさえ思える。」–ジェリー・ドソウザ、コーダ(カナダ)

「もしもあなたが、ジャズにおける永遠の精神――インプロヴィゼイションによるインスピレイションの表現――を愛するなら、このディスクはお勧めでき る。」–マイケル・ライアン、ボストン ヘラルド(アメリカ)

「・・・それらの曲名が物語る通り、変幻自在で純粋な6つの作品。グレッグ・ケリーあるいはアクセル・デルナーのようなスタイルで演奏するトランペッター の田村には、目を見張るものがある。いっぽうの藤井は、その驚くべきクラシックのテクニックを効果的に用いて、ダイナミクスや空間、音程を極限まで活かし ている・・・。知性と危険とが決定的な役割を果たすこの音楽は、極めて美しい。」–ジェイソン・ビビンズ、ケーデンス(アメリカ)

「この共演では、親近感と抽象性とが同居し、その全体にはかすかな叙情性が漂っている。それはまさに、この音楽を即興演奏と相互作用における未踏の境地へ と高めている。Aランクの出来である。」–マーチン・ウイスコル、オレンジ カウンティ レジスター(アメリカ)

「既成のスタイルにこだわらず、決して結論を急ぐことのない演奏は、長い共同作業から築きあげた信頼感に支えられている。充実のデュオ」–北里義之、音 場舎(日本)

「・・・表向きは静かで美しい音楽だが、内面には複雑で荒れ狂うような展開を秘めている・・・。アヴァンギャルド・ジャズの歴史には、より少ない音数でよ り多くの効果を挙げたデュエットの例が豊富に存在する――ジョン・コルトレーンとラシッド・アリ、セシル・テイラーとマックス・ローチ、ビル・ラズウェル とペーター・ブロッツマンの組み合わせは、そのほんの数例に過ぎない。田村と藤井は、喜んでその列に加えることのできるデュエットである。」–テッド・ ケーン、Jazz Review.com(アメリカ)

「本作は画布に二人が瞬間に浮かぶイメージを同時に描いていく感じだ。互いに感覚を研ぎ澄まし音のやり取りがスリリングに展開する。」–上村敏晃、CD ジャーナル(日本)

「緩急のバランスが見事に取れた音世界は、最初の数秒から充分なほどの吸引力を持つ。音数が抑えられたパートでも全く無理なくさまざまな風景を思い浮かば せ、そこが見事に作品の特徴づけになっている。それゆえどこを取っても密度は濃く、10分を越える大曲でも飽きさせることがない。」–小島 智、ストレ ンジデイズ(日本)

「藤井の強みのひとつは、その気楽な感覚にある。彼女は、様々なスタイルで曲を書いたり演奏したりすることができる――『クラウズ』は型破りだが、取っつ きやすいアルバムである。」–スティーブ・コーニッグ、オールアバウトジャズ ニューヨーク(アメリカ)

「『クラウズ』は、藤井と田村の最高の部分を活かした、創造的なジャズの演奏を集めた非凡なる作品である。」–リー・プロッサー、 JazzReview.com(アメリカ)

「感覚の世界の中で、ふたりのイマジネイションが絡み合う。そして、様々な可能性を秘めた素地からは、聴き手が高揚し、驚き、ワクワクするようなサウンド が生まれてくるのである。」–ジェリー・ドソウザ、オールアバウトジャズ(カナダ)

「・・・ときどき、耳を捉えて離さないものに出会うことがある・・・主流派の断片と反主流派の抽象とが、美しく融合されている。」–マーク・S. タッカー、エックスポーズ(アメリカ)

「目を見張るほどの演奏、そして、恐れ入るほどの複雑さ。」–フランシス・コウトア、オールミュージックガイド

CD ”How Many?” (1997)

「田村のトランペットがオープニング『悪夢』そして、『Lightning Attack』でけたたましく鳴く。最初のトランペットの鳴き声から、本当にびっくりさせられる。藤井はいつ田村のブロウ対照をなすか、支えるかという事 への直感的なセンスをもって理想的な立役者となる。彼等の音楽は、気付かない内にあなたをとらえ、切迫と陰謀を企てる。」–マルセル・ブレトン、ジャズ タイムス(アメリカ)

「田村のトランペットと藤井のピアノのその微妙な調性とテクスチャーにアンテナを合わせ、音量を上げれば、実に面白い雰囲気を聞き取れる。藤井のソロ “Kaleidoscope”は彼女の繊細で静かなリリシズムを思い起こさせる。」–サム・プレスティアニ、ジャズイズ(アメリカ)

「藤井は何にもましてリリカルなプレーヤーだ。弾きまくるわけではなく、色彩とテクスチュアとメロディーで語る。彼女の演奏は、生気があっても傷つきやす い繊細さと自然さがにじみでている。田村の演奏も同様に繊細だ。彼の演奏は明らかに本来はジャズを基礎とした物だが、多種の源泉を引き寄せる。彼のスタイ ルは現代音楽とある程度似ている。田村と藤井は共に完璧な構造物を組み立てる。彼等のコラボレーションは、バランスがとれていて機敏でそしてとても音楽的 だ。美しいアルバムだ。」–クリス・ケルゼイ、ケーデンス(アメリカ)

「『何か他とは違うもの』が少ないと嘆いている方は、まだ日本人ピアニスト藤井郷子と彼女の夫の田村夏樹のトランペットを聴いていないのだろう。彼らのサ ウンドは、情熱と計算された狂気の意味深い融合だ・・・郷子はポール・ブレイ(1996年にアルバム「サムシングアバウトウオーター」で共演)をまず思い 起こさせるようなパーカッシブなピアノを弾く。」–リック・マークス、ジャズセントラルステーション(アメリカ)

「人の心の状態の反射物。刺激的で挑戦的、とても好奇心をそそられ、無視できなくなるインプロヴィゼーションだ。推薦盤。」–ディック・メトカフ、イン プロビジャズエーション ネーション(アメリカ)

「トランペットの田村夏樹とピアノの藤井郷子、彼等自身の新しいジャズを創造し、14曲の美しさを我々に堤供する。自由に漂う即興でもある。」–ジャッ ク・バーク、ワックスワークス(アメリカ)

「好奇心をそそられる未決の音楽の冒険。1960年代のフリージャズムーブメントの伝統とその流れの中で、ふたりは最大限の表現を強調し、自由で力強くブ ローする。藤井はセシル・テイラー、ドン・ピューレン、ポール・ブレイの様なインプロヴィゼーションの指導者と共にヨーロッパの印象主義者やクラシックの アヴァンギャルドを引用する。田村は狂気のトランペッターだ。彼は、未踏の地に乗り出したレスター・ボウイやレオ・スミス、オーネットの様に特別なミュー ジシャンだ。不思議な、アンダーグラウンドな、陽気な、いたずらで創造的な音楽。」–マイケルJ. ウイリアムス、アメリカンレポーター(アメリカ)

「彼女は、明確なテクニックで自由自在に楽器を操り、爆発的な勢いで雷鳴のような大音響を発する。そして、何の前触れもなくスピードを上げたり、方向を変 えたり、美しいバラッドのように自由な風景を描いたりする・・・。その音楽は両極端のものを結合し、身震いするような感情の発露を促すが、抑制された平穏 な意識の中に藤井が旋律を突き立てると、その感情は粉々に砕け散る。」–フランク・ルボリノ、ケーデンス(アメリカ)

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